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ライブ写真のこと(ブラックについて)前編

濃さを考える

 好きで撮りに行く時の話です。キーワードは「伝達」

 写真を撮り続けるにつれて思うことは増える一方なんだけど、ドキュメンタリーが好きでモノクロで撮ることが多いので特に意識することがブラックの扱い方。(ドキュメンタリーは写る情報を必要最低限に絞り、1つ1つの情報の価値を高める狙いでモノクロが多用されやすいジャンル)
 以前ウェブデザインに関する記事を読んでた時に、文字の色を真っ黒(0,0,0)や真っ白(255,255,255)にすると刺激が強すぎて読み手が疲れるからベースにするのは避けるよう書かれてました。文章は、読み手が理解するという工程を前提として目的を持つものだから、理解して貰う前に諦められることは絶対に避けるべきこと。
 物書きさんにとってカラーの刺激はそういう意味で抑えるべきであるということなんだろうけど、写真の場合はまた違った尺度で匙加減をしなければいけない。極論、内容が意味わかんなくてもカッコ良ければ良いという価値観が成り立つぐらい敷居が低いので、多くの場合、見た人の反応が早い反面、軽い気がしなくもない。もちろんそればかりではないけど、その辺のことは俺自身の課題なのでまだ言葉に出来そうにありません。

映画(映像)に学ぶ

 ライブ一個とっても、その日までの歴史がバンドにあって、そのライブをする箱や遊びに来るお客さんそれぞれにもあって、言ったらジャンクションみたいな場所。(当たり前だけどそんな場所では撮影者のエゴなんて全然いらない。これ結構難しいんです。)例えば映画の場合、登場人物がいれば、その人のバックグラウンドの説明が必要になります。長編マンガを映画にぶち込んだせいで説明不足のまま不完全燃焼になるなんてことがありますけど、それは写真でも同じです。伝えるべき情報をしっかり伝えて、余計な情報は省くが基本。
 今では気軽に色の濃さをコントロールできる時代なのに、多くの映画で黒は薄くされています。(チャップリンなんかだと恐らく真っ白(白飛び)と真っ黒(潰れ)が出てる気がしましたけど精密にはどうなんでしょう。)通してみればシーン単位で効果的に真っ黒が使われることはあるかもしれません。BlackSwanはわかりやすく、BlackPantherやManInBlackは濃いけどやはり真っ黒ではなかったです。気になる人は画面上下の黒いストリップと同じ色を探してみてください。でも、映画までなんで薄くするんでしょう。

 映画は大体、一秒間に24枚の写真を順番に見せてるだけです。いわばパラパラ漫画、1分尺で1440枚です。ここで質問。日常的に1枚の写真を1分以上見る事ってありますか?ない人が大多数だと思います。(クソっ)映画となると1440枚×90とかの情報量(単純計算)になるわけです、写真一枚の作品に比べると明らかな差。4分だとしたら1枚の写真に対して1440×4倍も情報量が多いんです。そのことからも、撮影環境など他の理由もあるかとは思いますが、刺激を抑えるというのは90分見て貰う為のテクニックなんじゃないかなと。MVで見掛ける意味の分かんないボカしエフェクトの存在もそういう理由なら腑に落ちます。
 この話をした後だと俺の気遣いは過剰だと思われるかもしれませんが、たかが数十枚されど数十枚です。それらの写真で1個のライブを表現しようとする時にも刺激を多少抑えることで効果があるんじゃないかと思ってます。それがマットにするってことに繋がるんですがどうでしょう、そこのマダムの意見が聞きたい。
 
 余談、動画を編集した時に知ったんだけど、フレーム一枚一枚を取り出してフォトショで編集して元に戻すってことが出来ます。実際にやってみれば、動画と静止画の違いは一枚か集まりかの違いでしかないってことを経験出来るので興味があれば是非。

ライブ撮影は全部の写真をメインディッシュにはしない

 記事書きながら薄すぎじゃね?って俺自身思ったけど、他の写真と一緒に見ればちょうど良いと思って貰えるはず。だから他の写真と一緒に見てみて欲しい。

記事書きながら薄すぎじゃね?って俺自身思ったけど、他の写真と一緒に見ればちょうど良いと思って貰えるはず。だから他の写真と一緒に見てみて欲しい。

 さてっ、実際に見て貰う。上の2枚は濃いか薄いかの違いなんですが、フォトショのレベル補正で見たらそれぞれ一番濃い部分が0と30。薄い方が俺の本チャンです。(1枚目は本チャンをベースに黒を出したのでシャドウが潰れてます。失敬。)2枚目のようにマットにするとノイズが目立たなくなかったり、明るく感じられたり、ローコントラストと相性が良かったり色々な側面があります。短所としてはインパクト(刺激)に欠けるとか。一応プリセットを作っているのでマットの度合いは説明済の30辺りが基準になってます。
 一枚でも成り立つと思ったらきっちり上から下まで使って情報を詰め込みたいので黒も0まで使うことが多いです。日本人だと浜野カズシさんって人が一枚完結の写真を大量生産してる。でもレベルに関しては俺の話で、この人はまた別の価値観でやってるはずです。話聞いてみたいですね。
 上の写真の場合、統一感を出したかったので全体に合せて薄くしました。全部見て貰いたいので写真の下にイベントの撮影記へのリンクを貼っつけてあります。興味があれば是非チェックしてみてください。
 文章の色や写真の集まりである動画(画)が刺激を抑える意味、俺が空気感(ローコントラスト)や全体の統一感を大事にする為に意識する部分、そこに繋がりを感じて以来は無闇矢鱈に全部の写真で殺しに行くような止め仕上げ方は止めました。昔のライブ写真とかふわっとしたモノクロでも殺伐とした緊張感とか伝わってくるじゃないですか。パッと見も大事だけど、説得力は空気と共にあるってこと。この日ライブしたBatCaveもWorldEndManもMinorLeagueもライブかっこいいので全部写真みてね。IFTKのライブ記事を挟んで後編書きます。前後に分けた理由は、この記事を一部ひっくり返すことになるからです。試行錯誤による賜物ですよ。

 写真1枚とっても色々な思惑があるんだってことを知って貰えれば幸い。知ってたら俺のことひっぱたいて、翌日仲間になろう。
 都内のヴェニューでお会いしましょう。
 

おまけ

ロゴはOfficialよりお借りしました。お世話になります。また撮影したいです。

あなたはどっちが好きですか。